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Pythonでローソク足と出来高を1つのチャートに簡単に描く方法

今回やること

Pythonを使ってYahoo!ファイナンスの株価時系列データを読み込み、ロウソク足と出来高のチャートをひとつの図に描く方法を紹介します。
データの読み込みにpandas、描画にはmatplotlibを使用します。

使用するデータと環境

今回はPython3.5, matplotlibは1.5.3を使用します。
特に、今回使用するfinance apiは、バージョン1.4からdeprecatedとなっており、将来的にmpl_toolkits等のほかの場所に移動される予定ですので、matplotlibのバージョンにはお気を付けください。

また、使用するデータはYahoo!ファイナンスから2016年上半期の日経平均のデータを落としてきて使用します。こちらのページのDownload Dataというリンクからダウンロードできます。

今回使用したJupyter NotebookはGitHubにアップロードしてあります。
github.com

下準備

まずはダウンロードしたCSVをpandas.read_csvを使って読み込みます。
読み込み部分のコードについては、以前の記事でも少し解説しています。

import pandas as pd
import matplotlib.pyplot as plt
from matplotlib.finance import candlestick2_ohlc, volume_overlay
%matplotlib inline

# 2016年上半期の日経平均のデータを読み込む
start_date = "2016-01-01"
end_date = "2016-06-30"
df = pd.DataFrame(index=pd.date_range(start_date, end_date))
df = df.join(pd.read_csv("n225.csv", index_col="Date", parse_dates=True))
df = df.dropna()

これで、こんな形のデータフレームが用意できました。
f:id:kanohk:20170109150439p:plain

ローソク足の描画

ローソク足の描画には、matplotlib.financecandlestick2_ohlcという関数を使用します。
この関数にはいくつか亜種が存在しますが本質的に渡すべきデータはどれも同じで、始値、終値、高値、安値をそれぞれ渡します。
matplotlib自体の細かい使い方は省略しますが、candlestick2_ohlcでローソク足を描いたあと、x軸とy軸のラベルや範囲等を正しく設定したら完成です。
今回は丁寧にラベルも書きましたが、手元で分析するだけならこの部分のコードはなくてもよいかもしれません。

# ローソクだけをプロット
fig = plt.figure(figsize=(18, 9))
ax = plt.subplot(1, 1, 1)

# candlestick2を使って描画
candlestick2_ohlc(ax, df["Open"], df["High"], df["Low"], df["Adj Close"], width=0.9, colorup="b", colordown="r")

# 軸メモリやラベルを整える
ax.set_xticklabels([(df.index[int(x)].strftime("%Y/%M/%D") if x < df.shape[0] else x) for x in ax.get_xticks()], rotation=90)
ax.set_xlim([0, df.shape[0]]) # 横軸の範囲はデータの個数(df.shape[0]個)までに変更しておく
ax.set_ylabel("Price")

f:id:kanohk:20170109150506p:plain

出来高の描画

ローソク足チャートはすでにかけているので、そこに出来高を追加していきます。
出来高は、volume_overlayという関数を使って描画します。今回は緑色で描画していますが、陰線か陽線かで色を分けることもできます。

# ローソク足をプロット
fig = plt.figure(figsize=(18, 9))
ax = plt.subplot(1, 1, 1)
candlestick2_ohlc(ax, df["Open"], df["High"], df["Low"], df["Adj Close"], width=0.9, colorup="b", colordown="r")
ax.set_xticklabels([(df.index[int(x)].strftime("%Y/%M/%D") if x < df.shape[0] else x) for x in ax.get_xticks()], rotation=90)
ax.set_xlim([0, df.shape[0]]) # 横軸の範囲はデータの個数(df.shape[0]個)までに変更しておく
ax.set_ylabel("Price")

# ローソク足を上側75%に収める
bottom, top = ax.get_ylim()
ax.set_ylim(bottom - (top - bottom) / 4, top)


# 出来高のチャートをプロット
ax2 = ax.twinx()
volume_overlay(ax2, df["Open"], df["Adj Close"], df["Volume"], width=1, colorup="g", colordown="g")
ax2.set_xlim([0, df.shape[0]])

# 出来高チャートは下側25%に収める
ax2.set_ylim([0, df["Volume"].max() * 4])
ax2.set_ylabel("Volume")

ローソク足と出来高を描画したあと、それぞれ上方向と下方向にチャートを縮めています。
こうしないと、出来高とローソク足が重なって描画され、何が何だかわからなくなるからです。
この移動は、set_ylimというy軸の範囲を設定する関数を使用して行っています。
完成したチャートはこんな感じです。

f:id:kanohk:20170109151032p:plain


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